ChromeにてGemini nanoのモデルを初期化後に強制的に削除する方法
ChromeブラウザにはGemini Nanoモデルが組み込まれており、様々なAI機能を利用できます。しかし、一度モデルを初期化すると、デバイスの空き容量が10GB未満にならない限り自動削除されません。本記事では、任意のタイミングでモデルを強制削除する方法を紹介します。
問題点
Chrome組み込みのGemini Nanoモデルは、以下のようにRewriter APIなどで一度初期化すると、デバイスの空き容量が10GB未満になるまで自動削除されません。
await Rewriter.create({})
この仕様により、開発やテスト中にモデルを再初期化したい場合でも、簡単にはモデルをリセットできない問題があります。
解決方法
記事公開時点で公式な削除方法は提供されていませんが、以下の手順で強制的にモデルを削除し、初期化前の状態に戻すことができます。
手順
1. モデルファイルのパスを確認
まず、Chromeの内部ページからモデルファイルの保存場所を確認します。
chrome://on-device-internals/
上記URLにアクセスし、「Model Status」タブへ切り替えます。「File path」に記載されているパスをコピーしてください。
パスの例:
/Users/User/Library/Application Support/Google/Chrome Dev/OptGuideOnDeviceModel/2025.6.30.1229
2. モデルファイルを削除
ターミナルまたはファインダーから、確認したパスのディレクトリを開き、モデルファイルを削除します。
3. Chromeを新しいプロファイルで起動
モデルを完全にリセットするため、新しいプロファイルでChromeを起動します。以下のシェルスクリプトを使用すると便利です。
# macOSでGoogle Chrome Devを使用の場合PROFILE_DIR=$(mktemp -d)trap "rm -rf '$PROFILE_DIR'" EXIT/Applications/Google\ Chrome\ Dev.app/Contents/MacOS/Google\ Chrome\ Dev \ --no-default-browser-check \ --no-first-run \ --user-data-dir="$PROFILE_DIR" \ --enable-features=AIRewriterAPI
このスクリプトの動作:
- 一時的なプロファイルディレクトリを作成
- スクリプト終了時に自動的にプロファイルを削除
- AI関連のフラグを有効化してChromeを起動
注意事項
環境による差異
本記事の方法はmacOS上のGoogle Chrome Devで検証していますが、他のOS(Windows、Linux)や通常版のChromeでは、パスや手順が異なる可能性があります。
まとめ
Chrome組み込みのGemini Nanoモデルは、一度初期化すると通常の方法では削除できませんが、モデルファイルを直接削除し、新しいプロファイルでChromeを起動することで、強制的に初期化前の状態に戻すことができます。開発やテスト時にモデルをリセットしたい場合は、この方法を活用してください。